変化するHRテクノロジーと進化するラーニングテクノロジー

公開日:2023/1/10(火)

筆者:岸田努(株式会社ネットラーニング 代表取締役社長)

HRテクノロジー市場の成長と活用の重要性

HRテクノロジー市場は2025年には3,278億円、2020年比約2.4倍に成長することが予測(*1)されています。またクラウドの普及により、多くのHR分野のベンチャー企業が参入し、中小企業におけるHRテックの活用も増加しています。

そして人的資本経営を推進する人材戦略の核となる「人材ポートフォリオ」の作成、スキルの可視化、定量化を進めるにあたり、HRM(Human Resource Management)、HCM(Human Capital Management)の活用はさらに企業において重要になってくることが予想されます。
また、終身雇用制度が崩壊し、キャリアアップのための転職が一般的となった今、さらにHRテックは採用からエンゲージメント、求職者が持つスキルとジョブのマッチングにおいて大きく力を発揮していくでしょう。

変化していくHRテクノロジー、その活用事例

そうしたなか、外資に見るHRテックの動きでは、IBMのHRテックソリューションでは人的資本管理におけるHCMソフトウェア(*2)を提供しており、その構成要素の一番に人材管理を位置づけ、人材管理は、従業員を育成して、新しいスキルの育成と業務パフォーマンスの向上を目指しますとしています。(二番以降は募集と採用、オンボーディング、福利厚生管理、勤怠管理、etc)

またSAPではHRM、HCMの進化系としてHXM(Human eXperience Management)を新しいコンセプトとして掲げ、人と会社をつなぐ人材マネジメントの新しい考え方として今後の人材管理の在り方を示しました。従業員エクスペリエンスの重要性認識の高まりを受け、SAPでは「従業員のフィードバックと従来の人事管理の業務データを組み合わせ、従業員の想いやその潜在的な理由を掘り起こし、従業員の活性化を図ることで企業の継続的な成長を可能にする」ことをHXMで目指すとしています。

HRテクノロジーとラーニングテクノロジーの共生、そして進化へ

このようにHRM、HCM、そしてHXMと大きくその役割が変化していく中で、従業員の育成、スキルの可視化、学習歴管理を担ってきたLMS(学習管理システム)もラーニングテクノロジーとして進化を続けています。

リスキリング、デジタル人材育成、人的資本経営など、さまざまなテーマにおいて今後、HRテクノロジーとラーニングテクノロジーはどのように連携・共生し、進化していくのかを引き続き我々ネットラーニングは模索し、最適な教育・研修ソリューションの提供を目指します。

筆者プロフィール

岸田 努

株式会社ネットラーニング 代表取締役社長

外資系情報サービス業で大手企業中心に情報システムを導入。2003年ネットラーニングへ入社。eラーニング導入初期の2000年代においてeラーニング市場作りと開拓を行い、大手企業を中心にコンサルティングに携わり数々の研修を成功に導いた。2021年に代表取締役社長就任。外部団体への参画も精力的に行い、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会、特定非営利活動法人デジタルラーニング・コンソーシアム、一般財団法人オープンバッジネットワークの理事も務める。

   

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