企業におけるeラーニングシステム(LMS)の利用状況と今後の展望

公開日:2023/2/22(水)

筆者:岸田努(株式会社ネットラーニング 代表取締役社長)

企業におけるeラーニングシステム利用状況の変遷

おかげさまで当社ネットラーニングはこの2月をもちまして、創業25周年を迎えました。

現在、多くの企業、学校、団体に、当社がクラウドで提供する学びのプラットフォーム(eラーニングシステム、またはLMS)をご利用いただいております。サービス提供を開始した2000年当初は、情報技術系のeラーニング講座を取りそろえ、プログラミング言語を中心にシステムエンジニアのみなさまにご受講いただいておりました。その後、コンテンツが拡充され、ラインナップを増やしていきました。

事業開始後の大きな転機のひとつに2005年の個人情報保護法全面施行があります。特にプライバシーマーク取得事業者には全社員教育が義務付けられたのをきっかけに、大手企業を中心にeラーニングを活用した全社員教育が開始されました。またコンプライアンス教育、情報セキュリティ教育など、全社員に必要とされる教育が続々とeラーニングで展開されるようになり、2005年以降eラーニングという学習方法は多くの社員にとって一般的になっていきました。

そうした中、各社の業務に直結するオリジナルコンテンツの制作が増えていきました。さらに、お客様が社内でeラーニングを作りたいというニーズが高まり、コンテンツ制作ツール(eラーニングの内製化ツール)の提供も開始しました。クラウド上で作ったコンテンツをそのまま公開して受講が開始できるソリューションは人気となり、2010年以降現在まで多くのお客様にご利用いただいています。

eラーニングシステムMultiverse(マルチバース)とニーズの多様化

実際に利用しているeラーニングシステムの名前上位5項目のグラフ。株式会社ネットラーニングのMultiverseが18.8%でトップ
引用:【企業のe-learningシステム利用状況】半数近い企業が直近1年以内にシステムを変更していた - PR TIMES新しいウィンドウで開く

先日、eラーニングシステムを導入済の企業のご担当者約1,000名に対し、調査が行われました。その結果、ネットラーニングのeラーニングシステム「Multiverse」の利用率が約19%でトップであると発表されました。
当社が利用されているeラーニングシステムのトップであることをとても嬉しく思う一方で、身の引き締まる思いでいます。この状況にあぐらをかかずに引き続きお客様に満足してご利用いただけるように、たえずサービスを改善し進化していきたいと思います。

なお、近年はお客様ニーズの多様化により、eラーニングシステムの役割は大きく広がっています。マイクロラーニング、DX診断、人的資本管理、リスキリング支援、オンライン企業内大学の配信、アバターの利用、動画配信、XR(VR/AR)など多くの教育・研修をサポートする機能やコンテンツが各社で開発されました。

ネットラーニングでは、Multiverse(当社LMS)を強化し、オープンバッジ(デジタルバッジ)のようにデジタル人材育成や企業のリスキリングを支援する革新的なソリューションを新たに提供開始しています。

Multiverseが提供するサービス

eラーニング作成ツール

独自のeラーニングを
作成する

企業研修

eラーニングコースを
活用する

オンライン研修配信※

ライブ研修を
配信する

※プランによって異なります

アーカイブ動画配信※

研修動画を
配信する

※プランによって異なります

研修履歴管理

研修履歴を
一元管理する

カリキュラム機能

研修を
組み合わせる

研修運営サポート

研修運営代行を
利用する

階層管理

グループごとに
受講管理する

デジタルバッジ

研修修了を
認定する

今後の展望

eラーニングは今後も成長を続けながら、教育と専門能力開発の将来において重要な役割を果たすことが期待されています。テクノロジーの進歩により、学びへのアクセスはさらに便利になり、さまざまなシーン、そして適切なタイミングで学習ができるようになりました。オンライン学習は今後数年間で、メタバース、AIの利活用がさらに進み、より没入型インターフェースでパーソナライズされた学習体験が提供されるようになると予想します。そしてeラーニングという言葉はあと数年でその役目を終え、デジタルラーニング、オンラインラーニング、ラーニングテクノロジーという言葉に置き換わっていくことでしょう。

当社は常に、その学びのプラットフォームを進化させ、人材育成を強力に支援してまいります。

筆者プロフィール

岸田 努

株式会社ネットラーニング 代表取締役社長

外資系情報サービス業で大手企業中心に情報システムを導入。2003年ネットラーニングへ入社。eラーニング導入初期の2000年代においてeラーニング市場作りと開拓を行い、大手企業を中心にコンサルティングに携わり数々の研修を成功に導いた。2021年に代表取締役社長就任。外部団体への参画も精力的に行い、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会、特定非営利活動法人デジタルラーニング・コンソーシアム、一般財団法人オープンバッジネットワークの理事も務める。

   

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