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教育マルチメディア新聞  2007年(平成19年)10月6日 7面

"外来語″を逆手に "発音″を意識
ワークショップ報告

 「英語の授業で子どもは先生の発音をみている。英語の発音では子音が命。まずはしっかりと子音を身につけて」――靜哲人教授(関西大学外国語教育研究機構)の呼びかけに先生方は子音を意識しながら隣同士で向き合い声を出し合う。意識的に抑揚を大きくとり、リズミカルな進行に会場も熱を帯びた。小学校英語教育の指導法を学ぶワークショップが9月30日、日本教育会館(東京都千代田区)で行われた。シンポジウム「高度専門職業人の継続教育に求められるもの」(主催・株式会社アジアネット教育研究所)での1こまだ。

 分科会の中で靜教授は「全ての音が同じように大事と思わなくて良い。 f、r、l、th、v に気を付けるだけで違う」と説明、参加者は子音に意識しながら各音を全体で、また慣れたらペアで復唱する。コツを覚えたところで、次は外来語として馴染み深い単語を用いて英語本来の発音を意識。「ラジオ/radio」 「リアル/real」 「ロックンロール/rock´n´roll」 「アスリート/athlete」 「リズム/rhythm」 について日本語と英語で発音を変えて声に出した。「日本語として発音してから英語で発音すると違和感を覚える。その違いを感じる。英語のときにテンションを変えて発音すると生徒の反応も良い」という。
 日本語と英語の発音の違いの意識を高めたら、2人1組となり 「 r 」 と 「 l 」 の発音・ヒアリングを学ぶ「言い分け・聞き分け」を行った。聞き手の背後に1人が立ち、「free / flea」 「crowd / cloud」 など似ている単語を発声する。発声担当は、背後から発音に気をつけて 「 r 」 なら右、「 l 」 なら左と手をかざして声を上げる。聞き手は、聴覚を頼りに 「 r 」 の場合は右手を 「 l 」 の場合は左手を挙げて応える。発音の研修にとどまらず、授業に使えるワークも盛り込まれた内容に、先生方も楽しみながらそのノウハウを持ち帰った。

 シンポジウムを主催したアジアネット教育研究所では、09年度にネットによる専門職大学院の開講を予定。同社代表取締役の岸田徹氏は、大学院のポイントとして「先生が教職に就きながら高度な教育を継続して受けられる」 「現場に立ちながら受講するので、学んだ内容をすぐに現場で実践できる。またそのフィードバックを大学院での学びに活かせる」と先生方の利用に期待している。
 既に同社では、教員を対象としたプログラムを用意。小学校低、中、高学年向けの英語の授業実践ノウハウを収めたeラーニングコンテンツ「即実践!ベテラン先生に学ぶ小学校英語活動」を提供中だ。
 内容は動画を中心に低、中、高の学年ごとに章立て。先生と生徒の視点を切り替えられる模範授業映像、進行や教材の準備方法等の授業ポイントの解説、ネイティブ・ティーチャーから発音等の基本フレーズを学べる「Classroom English」など。齋藤榮二氏(京都外国語大学特任教授)監修のもと、講師を久埜百合氏(中部学院大学客員教授)や、教育センターで小中の英語活動指導法の研修を行うAETのスーパーバイザー、公立小学校で英語教育を実践する教員らが務める。

(~リズミカルな "発音″のワークに会場も活気づいた~ 写真省略)