NetLearning in News ~掲載記事一覧~

電経新聞  2001年(平成13年)1月1日 9面より抜粋

eラーニング特集

認知度向上が大きなカギ

場所を選ばず、安価に、短期に、質の高い学習を可能にするeラーニングは、従来の集合研修における課題を大幅に改善し、スピード、品質、低コストが重視される時代にマッチした次世代学習法と言える。米国では既に四〇%以上の企業がeラーニングを導入していると言われる中、日本でもセミナーやフォーラムの開催などにより、ようやく浸透し始めた。「人材育成」は各企業にとって生命線であることから、効率的な研修・学習を実現するeラーニングは近い将来、定着することは間違いない。米国の現状を踏まえ、eラーニングの実態、事業を展開する企業動向、今後の課題などについて検証する。

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eラーニングの大きな特徴の一つに、スキル評価に基づいて個別の学習プログラムを提供するワン・トゥ・ワン学習がある。しかし、質の高い学習効果を実現するには、チュータと呼ばれる学習指導員の役割が不可欠。通信教育やマルチメディア教材はほとんどが「独学」に近いものであったが、eラーニングはインターネットの双方向性を利用して、学習者からの質問に対してチュータが即座にアドバイスや励ましをFAQデータベースや掲示板・メールを通じて行うことができるため、通信教育やマルチメディア教材に比べて、学習意欲を維持しやすくなっている。

IT関連など技術系コースを多く揃えるネットラーニング(東京都新宿区、岸田徹社長)は、eラーニングの特徴を最大限に活かすには「チュータの役割が決定的なカギを握る」としており、学習者からの質問に対して解説・アドバイスを二十四時間以内に返答することや、学習者の進捗状況を的確に把握し学習促進を行うことで、学習意欲の維持を図っている。

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eラーニングの中でも完全にインターネットに特化しているのが平成十年に設立されたネットラーニング。同社はIT関連のコースを中心にASPサービスとして提供しているが、インターネットに特化している理由として、場所を問わないことやモバイルへの対応のほかに、十万人を超える大規模研修から極めて小規模な研修まで、低コスト・短期に実施できることを挙げる。また、インターネットはイントラネット上でのeラーニングに比べると初期導入費用や運営維持費などのコスト面、コースデータ標準化が不要などのメリットがあり、さらに「ネット上で多様な専門家をチュータとして活用できる」(吉田俊明企画室部長)ことも大きいとしている。

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「人材育成」を重要戦略と位置付ければ、自ずとeラーニングは必要不可欠な武器となるのではないだろうか。