NetLearning in News ~掲載記事一覧~

日本経済新聞  2007年(平成19年)9月6日 13面

上海でeラーニング

 キヤノンや小学館などが出資するインターネット教育大手、ネットラーニング(東京・新宿)は、中国・上海で日系企業向けのeラーニング(ネットを利用する遠隔教育)事業を始める。9月中にも現地法人を設立し、主に中国人社員を対象に日本語やビジネスマナーを研修する。日系企業の中国人社員の離職率は高く需要が見込めると判断した。初の海外進出で、今後は中国企業向けにも事業を拡げる計画だ。

中国人社員の定着促す
ビジネスマナー 日本語など研修


9月中にも14万ドル(約1620万円)を投じ上海に100%出資会社を設立、中国語によるeラーニングの提供を始める。会社の個人端末などから好きな時間にログインし、画面に従ってメニューをこなしていく仕組み。
 ネットラーニング側のサーバーで管理するため、企業はシステムを新設する必要がないほか、各社員の研修の進み具合を把握できる。使用するソフトは日本語教育のほか、日本ならではのビジネスマナー、コンプライアンス(法令順守)関連を充実させた。
 初年度は年間5-6件の契約、1億円の売上高確保をめざしており、すでに2件を受注している。2年後をメドに中国の企業と合併会社を設立し、中国企業に対してもeラーニング研修を売り込む。北京などにも進出する予定で、将来的には売上高ベースで数百億円規模の事業になると見込んでいる。
 中国に進出した日系企業は現地の中国人を多く雇用しているが、ネットラーニングによると中国人社員の離職率は年20%前後。企業は教育係を増やすなどして引き留めに躍起だが、事態は改善せず業務に支障をきたすケースもある。
 eラーニングは多くの人が手軽に好きな時間に学べるのが特徴。中国では企業研修に照準を絞ったネット教育事業が普及しておらず「競合は存在せず、企業ニーズは高い。地道な昇進制度など日本企業の仕組みを理解すれば定着率は上がるはず」(岸田徹社長)としている。

(~中国の日系企業向けネット教材はすべて中国語で構成する~ 図表・写真省略)