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日本経済新聞  2008年(平成20年)9月11日 朝刊 39面

育児休業の職員 サイトで復帰支援

川崎市 相談・連絡しやすく

 川崎市は職員の子育て支援強化の一環として、インターネットを使った育児休業者向けの職場復帰支援プログラムを試験導入した。民間企業が開発したプログラムを生かし、育児の悩み相談や上司との連絡などに使う。今のところ総務局などの市長事務部局だけで運用しているが、早ければ2009年度から、利用できる職場を水道局、病院局などを含む市役所全体に拡大する考えだ。

民間のプログラム活用

 導入したのはwiwiw(ウィウィ、東京・新宿)が開発した育児休業者職場復帰支援プログラム。神奈川県内で民間企業のプログラムを導入する自治体は珍しい。現在の利用者は57人で、全員女性。育児休業の取得者28人(うち1人が男性)が"先輩"として、相談などに応えるために登録している。
 利用者は自宅のパソコンを使ってログイン画面からアクセス(接続)し、日記や「職場復帰講座」「簿記講座」など60種類以上のオンライン講座を手の空いた時間に受講できる仕組み。利用料は市が負担する。
 川崎市専用の掲示板もあり、託児所がある昇任試験会場やその申し込み方法などの情報を掲載。「保育園の入園手続き」といった経験者への相談もこの掲示板を通してやりとりできる。携帯電話からの利用も可能だ。
 川崎市が職員を対象にこれまでに実施したアンケートでは1休業中、他の職員に与える負担2スムーズな職場復帰――などが気掛かりに思うことの上位にきた。市では建築職などの技術系を対象に「育児休業代替任期付職員」の採用制度を4月に導入。10月には保育士にも職種の枠を広げる方針で、次の段階として「職場復帰」についても整備を進めていく。11月に八都県市が合同で実施するワークライフバランス推進キャンペーンと並行し、すでに運用中の職員専用サイト「職員子育て応援ネット」のデザインや内容も刷新する。10-11月には育児休業の経験者らの座談会を開くほか、課長級以上の管理職を対象に啓蒙(けいもう)活動にも力を入れる。職員の意識を高めて意見を吸収、育児支援に関係した市民サービス向上の材料にするという。

(~川崎市は「職員子育て応援ネット」の内容も刷新する~ 写真省略)