NetLearning in News ~掲載記事一覧~

日経産業新聞 2007年(平成19年)11月7日 21面

接客向上へ「eラーニング」

プリンスホテル
 西武ホールディングス傘下のプリンスホテル(埼玉県所沢市)は従業員の顧客サービス向上に向け、インターネットを使った遠隔教育である「eラーニング」を運営する全国50ホテルに導入する。フロント業務など顧客と接する従業員約3,500人が対象。ホテルの専門用語や簡単な接客術などを空いた時間に学んでもらい、習熟度もテストで確認する仕組み。国内ホテルで大々的にeラーニングを導入するのは珍しいという。

専門用語など学習 習熟度もテスト確認
 eラーニング最大手のネットラーニング(東京・新宿)が専用プログラムを開発した。プリンスホテルは2007年7月に「サービスの基本」分野で試験的に導入したところ、受講者の約90%が「内容に満足」などとしたため、宿泊部門に特化し、より専門性を高めたプログラムなどの導入を決めた。
 宿泊部門のスタッフ向けプログラムはホテルの歴史やホテル用語という基本から、フロントへの案内の仕方やエレベーターでの対応方法、客室に届け物をする際のマナーなど、実践に即した学習ができる仕組みだ。項目ごとに確認テストがあり、結果は本人とその管理者に送られる。
 従来は接客マニュアルとビデオで従業員に対する研修を行っていた。文字が中心のマニュアルを読んだり1時間以上のビデオを見続けたりする必要があるうえ、従業員の学習効果を確かめることも難しかった。5分、10分という短い時間に区切り手の空いた時に学習できるeラーニング導入で、確実で効果的な学習ができるようになり顧客サービスが向上することを期待する。
 ネットラーニングは金融機関や製造業などに、コンプライアンス(法令順守)などをテーマとするeラーニングを提供している。ただサービスそのものを対象とするものは「ビジュアル的に説明すべき場面が多い」(岸田徹ネットラーニング社長)ため、導入事例が少ないという。今回はサイト上の動画の配置方法などを工夫し実用化した。今後、同種のプログラムを5-10ホテルチェーンへの導入を目指す。

(~「手の使い方」など状況に合わせて具体的に学習できる~ 図表省略)