学生が「最後まで見たくなる」「理解が深まる」動画を
近畿大学では、「学生を途中で挫折させたくない」という思いから、2015年よりeラーニングのプロフェッショナル、ネットラーニングに動画制作を依頼してきました。2015年以前から講義動画を制作し配信していましたが、当時の講義動画は教員が淡々と解説を続けるもので、学生は最後まで授業を見ずに終わり、また学期の途中で挫折する学生が多くいました。さらに授業内で説明している内容について学生から質問が寄せられるなど、内容の理解度が低いことにも課題を感じていました。これを受け、学生が最後まで見続けることができ、さらに理解の深まる講義動画を作りたいと考え、数多くの講義動画制作実績を持つネットラーニングに制作を依頼することにしました。

学生の理解度が大幅にアップ　学習効果の高いコンテンツ設計
以前は、対面授業と同じように60分から90分の講義をそのままeラーニング動画にしていたものが多く、このことが講義を最後まで見られない原因のひとつになっていました。ネットラーニングと制作した動画は、学生が集中力を保てるよう15分程度ごとに区切っています。また、魅力的なオープニングで興味を引かせたり、まとまりごとにテストを挿入したりなど、学生を飽きさせない学習設計が施されています。その結果、動画をくり返し視聴する学生が増え、授業に対する理解度が63.3％から71.3％（※1）に上昇しました。導入した当初は年間19科目だったメディア授業は、2021年度には年間88科目を開講しており、受講した学生は延べ2万人を超えています。

「面白い」をかたちに　担当者の手厚いサポート
動画の制作にあたっては、「学生が見やすいもの」を作ることにこだわり、ネットラーニングの担当者と二人三脚で設計を考えました。
撮影前の準備では講義に使うパワーポイントの内容や、見せ方のアドバイス、収録時にはカメラ越しに話す際のポイントをレクチャーするなど、担当者が丁寧に教員をサポートしてくれました。
動画の編集においても、映画のようなオープニングの演出を実現してくれました。ネットラーニングは「面白い」をかたちにしてくれたと言えます。

コロナ禍でのオンデマンド授業制作　スピーディな対応
2020年度は新型コロナウイルスの影響で従来の対面授業ができなくなったため、授業の内容・質を担保した講義動画を短期間で制作する必要が生じました。近畿大学では、これまでネットラーニングとともに数多くの動画を制作してきたノウハウを生かし、スムーズにオンデマンド授業へ移行することができました。オンデマンド授業に切り替えを行った授業は、主に大教室で行われる教養科目です。15科目の授業に使う講義動画を短期間で制作する必要がありました。教員に寄り添い、的確にマネジメントを行ってくれたため、安心して制作を進めていただくことができました。学習効果を考慮し細かく分けて動画を制作してくださり、15科目に対し合計900本もの動画を制作していただきました。

新しい大学授業の展望　場所・時にとらわれず広い学びを
将来的には学部を横断し、学生がオンデマンド授業を自由に選べるような環境整備を進めていきたいです。オンデマンド授業が増えれば、ボランティアや留学、クラブ活動などに時間を使えるようになり、学生の時間の使い方に自由度が増し、学生生活におけるさまざまな可能性が広がると思います。
学生には、ぜひわがままに時間を使ってもらいたいです。

近畿大学様について
15学部49学科（情報学部は2022年4月開設予定）を有する総合大学。
インターネット出願、Amazonでの教科書販売、キャンパス内のキャッシュレス化等、先進的なICT技術を導入してきた。
現在、通信教育部の知見を活かし、通学生向けオンデマンド授業の制作を進めている。