【実施率9割超】エンゲージメント向上の鍵は「研修」にあり
最新調査から見えてきた人材育成とeラーニングの役割

公開日:2026/04/13(月)

筆者:岸田 努(株式会社ネットラーニング 代表取締役会長 CEO)

1分で読める!この記事で分かること

人的資本経営の重要テーマとして注目される「従業員エンゲージメント」。

多くの企業がサーベイや1on1などの施策を導入していますが、最新調査から見えてきたことがあります。
それは、エンゲージメント向上の中核にあるのは「研修」だという事実です。

本記事では、

  • 国内企業のエンゲージメント施策の最新動向
  • なぜ研修がエンゲージメントを高めるのか
  • エンゲージメント向上に効果的な研修テーマ
  • eラーニングやLMSを活用した研修の可能性

について解説します。

エンゲージメント向上施策の実施率は【9割超】 その中核にある「研修」

近年企業経営において、重要なテーマになっているのが従業員エンゲージメントの向上です。人的資本情報の開示が進む中、企業は従業員の働きがいや組織へのコミットメントを高めるため、さまざまな施策の導入を進めています。

労務行政研究所の調査(2025年)※1によると、

  • 従業員エンゲージメント向上の取り組みを実施している企業:92.3%
  • その施策の中で「研修・ワークショップ」を実施:69.2%

という結果が出ています。

つまり日本企業の多くが、社員のエンゲージメントを高めるため、サーベイや制度設計だけではなく、研修という「学びの機会」も施策に組み込んでいるのです。

近年広がっているのが、従業員のスキル向上やリスキリングを通じて企業価値を高める「人的資本経営」。その中で研修は単なる教育施策ではありません。組織文化や価値観を共有する重要な経営施策として位置づけられるようになっています。

働きがい向上施策でも研修は過半数

研修の重要性は別の調査でも明らかになっています。
2,395社が回答した2024年の厚生労働省関連調査※2では、働きがい向上のための施策として次の結果が報告されました。

  • 上司・人事との面談実施:73.5%
  • アンケート調査実施:40.7%
  • 研修などのOff-JT(業務外研修):58.8%
  • OJT(業務内指導):58.1%

この結果から分かるのは、働きがい向上の施策としても研修は「標準的な取り組み」になっているという点です。

特に最近では、下記のようなテーマで研修を導入する企業が増えています。

  • DX人材育成
  • リスキリング
  • 管理職のマネジメント力強化

また、従来の集合研修だけではなく、eラーニングやLMS(学習管理システム)を活用したオンライン研修が普及していることも特徴です。
これにより、時間や場所に縛られない学習機会を提供できるようになりました。

なぜ研修がエンゲージメントを左右するのか

従業員エンゲージメントを高める要素は、大きく3つに整理できます。

  1. 仕事の意味(Purpose)
  2. 成長実感(Growth)
  3. 良好な関係性(Connection)

実は研修は、この3つすべてに直接働きかけることができる手段です。

それぞれの要素にどのように影響をあたえるのか、詳しく見ていきます。

1. 仕事の意味(Purpose)

企業理念や戦略を共有する研修は、従業員が自分の仕事と組織の目的を結び付けて理解する機会になります。

これにより、社員が仕事の意味や社会的価値を実感しやすくなる効果があります。

2. 成長実感(Growth)

スキル習得や新しい知識を得る研修は、従業員の成長実感や自己効力感を高めます。

特に近年はリスキリングの重要性が高まっており、企業が社員に継続的な学習機会を提供することがエンゲージメント向上につながっています。

3. 良好な関係性(Connection)

対話型研修や管理職研修を行うことで、上司と部下の信頼関係が強化され、心理的安全性が高まる効果があります。

つまり研修は

  • 仕事の意味を理解する
  • 成長を実感する
  • 組織とのつながりを感じる

というエンゲージメントの3つの核心を強化する施策だと言えるのです。

エンゲージメント向上が狙える具体的な研修テーマとは

エンゲージメント向上に直結する研修テーマとして、次のような内容が挙げられます。

管理職向け研修

  • チームビルディング
  • 目標管理(MBO)
  • コーチング
  • 1on1ミーティング
  • 心理的安全性の高い組織づくり

管理職のマネジメント力はチーム全体のエンゲージメントを大きく左右するため、これらのテーマやスキルは非常に重要です。

メンバー向け研修

  • アサーティブコミュニケーション
  • レジリエンス
  • キャリアデザイン
  • マインドセット研修

これらの研修で獲得できるスキルにより、従業員の主体的に仕事に取り組む意欲が高まります。

研修効果を高める定額制eラーニングとその理由

近年、多くの企業で導入が進んでいるのが定額制eラーニングです。
eラーニングにはこのようなメリットがあります。

  • 全社員に均一な学習機会を提供できる
  • 自律的に成長ができる
  • 学習データを分析できる

また管理画面にて、これらが可能になります。

  • 研修の受講状況の可視化
  • スキルの可視化
  • 学習履歴の管理

当社が提供する定額制eラーニングの特徴は、その設計にあります。
設計の最大の目的は「従業員のリスキリングやエンゲージメント向上を支援すること」
そのため、社員一人ひとりの学習意欲が高まるよう作られていることが強みです。

<学習意欲を高めるポイントの例>
  • 1,000超の多様なコースが揃っており、学びたいコンテンツが見つかる
  • 学びたいものを学びたいときに「自律的に」「自由に」学べる仕組み
  • ビジネスの場ですぐに活かせる、ビジネススキル・マネジメント・コミュニケーションなど実践的なコースが充実している

まとめ

最新調査から、次の2つのポイントが分かりました。

  • エンゲージメント施策は「ほぼ全社実施」の時代が到来している
  • その中核に位置づけられているのが「研修」である

エンゲージメントを高めるのは、単なる制度やサーベイではありません。
学びの機会を通じ、仕事の意味・成長・関係性を強化することこそが重要です。

定額制eラーニングを活用した研修は、従業員のリスキリングを促進し、組織全体のエンゲージメントを高める有効な手段となります。
貴社のエンゲージメント施策に、研修やeラーニングは十分に活用されていますか?
ぜひ一度、研修を活用したエンゲージメント向上について検討してみてください。

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出典

筆者あとがき

わたしが社会人として働き始めたのは、いまから30年以上前のことになります。現在55歳のわたしにとって、当時の日本企業の環境は、今の若い世代の方々から見ると少し違って見えるかもしれません。

当時の日本企業には、いわゆる「終身雇用」や「年功序列」といった雇用慣行が色濃く残っていました。新卒で入社した会社に長く勤めることが当たり前とされ、企業と社員の関係は、いま以上に強く結びついていた時代です。

わたし自身も就職した当時は、「この会社で社会人として成長していく」という思いを自然に持っていました。会社の成長と自分の成長が重なっている感覚があり、組織に貢献することに強い意義を感じていた記憶があります。いま振り返ると、それはまさにエンゲージメントが高い状態だったとも言えるでしょう。

もちろん当時は「エンゲージメント」という言葉は一般的ではありませんでした。しかし実際には、多くの社員が会社の理念や目標を共有し、「この組織の一員として成果を出したい」という気持ちを自然と持っていました。

一方で、現在の社会は大きく変化しています。

終身雇用の前提は弱まり、働き方も多様化しました。転職も一般的になり、社員が企業と関わる形は以前より柔軟になっています。

そのような時代だからこそ、企業は意図的にエンゲージメントを高める取り組みを行う必要があります。

そして、その重要な手段の一つが人材育成や研修、そしてeラーニングによる学習機会の提供だとわたしは考えています。

人は「成長できる」と感じる組織に対して、自然と前向きな関わりを持つようになります。 また、自分の仕事の意味を理解し、仲間と信頼関係を築くことができれば、組織への主体的な貢献意欲は高まります。

だからこそ、企業が社員に学びの機会を提供することは、単なる教育施策ではありません。

それは社員と企業の関係を強くする経営施策でもあるのです。

ネットラーニングはこれまで、eラーニングやLMSを通じて、多くの企業の人材育成を支援してきました。

これからの時代は、リスキリングや継続的な学習がさらに重要になります。

社員一人ひとりが学び続け、成長を実感できる組織をつくること。

それこそが、これからの企業のエンゲージメントを高める最も確かな方法なのではないかと感じています。

筆者プロフィール

岸田 努

株式会社ネットラーニング 代表取締役会長 CEO

外資系情報サービス企業で大手企業の情報システム導入を担当。2003年ネットラーニング入社以来、eラーニング市場作りと開拓を行い大手企業中心にコンサルティングに従事し多数の研修を成功に導く。2026年代表取締役会長 CEO就任。一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会、特定非営利活動法人デジタルラーニング・コンソーシアム、一般社団法人日本オンライン教育産業協会で理事 副会長を務める。

【保有オープンバッジ抜粋】

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