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朝日新聞 2007年(平成19年)3月29日 朝刊 23面

育児休業から仕事復帰 サポート広がる
不安でも「焦らず慌てず」

助言メールやネット講座
<支援サービス会社>

「あんなに戻りたかった仕事、でもいざとなるとドキドキして、怖くなる人もいるよ。(中略)3日たてば慣れる。なんでもなくなるって。3日でも無理な人は3週間。はじめから100%の仕事をしようとか、遅れを取り戻そうと勢い込まない方がいいよ」
東京都品川区の小学校教諭、横山礼子さん(42)は大切に保存しているこのメールをときどき読み返す。昨年の3月、職場復帰を前に届いた。
送信元は区が契約している職場復帰支援サイト「wiwiw」(ウィウィ、https://www.wiwiw.com)。育休中の状況にあわせて、励ましやアドバイスをつづったマンスリーメールやウィークリーメールが送られてくる。
横山さんは第2子出産のため04年12月から昨年3月末まで育休を取った。メールは復帰後も半年間届く。「復帰後はリズムがつかめず、自分が無理していることさえ忘れている。そんなときに『がんばらなくてもいいよ』というメールをもらってほっとした」
wiwiwは資生堂が01年、社内向けに開発。その後、他社からも利用したいとの申し入れが相次ぎ、昨秋、職場復帰の支援サービス会社として独立した。
いま、契約している会社などは約220。人気はオンライン講座で、料理やダイエットなどの「ライフスタイルアップ」と、パソコンや簿記基礎、TOEICなどの「ビジネススキルアップ」に分かれている。1レッスン15分で育児の合間に受講できるのが売りだ。
サイトには、育休中の社員が企業の人事担当者と連絡をとったり、育休者同士で情報交換したりできる掲示板があるほか、「育休中の社員に何を伝えたらいいかわからない」という企業側の要望を受け、上司が部下に送るメールのひな型も提供している。
同社の岸田徹社長は「上司が育休中の人の気持ちをわかるようになった、育休を取りやすくなるなど会社の雰囲気が変わってきた、といった反応が寄せられている。企業側のメリットも多い」とPRする。
4月からは24時間対応で電話相談も始める。育児の不安や病気の悩みなどに看護師や臨床心理士らが応じるという。