NetLearning in News ~掲載記事一覧~

ダ・カーポ 2007年(平成19年)6月6日 P.66

育児中のたのもしいサポーター登場
ワーキングマザーを社外で支える仕組み

 せっかく取った資格や、働いて得た貴重な経験を出産後にも生かして働きたい……そう願っている女性たちにとって、結婚・出産を心から祝福し、子育て支援をしてくれる企業は頼もしい味方だ。しかし、まだまだ子育て支援制度を整えている企業は、大企業を中心とした一部でしかない。
また、たとえ制度はあっても、出産・育児期間中は会社からも仕事からも離れなくてはならないという不安はだれにもあるはず。慣れない体験への戸惑いと、育休後ちゃんと職場復帰できるだろうかといった心配で、「とにかく離職中は孤独で不安で」「かといって社内に相談する相手もいないし」と、これまでに育休を経験した多くの女性たちが語っている。

育休中にネットで自分を磨く専用のプログラム

そんな女性たち(中には男性もいるが)の育休期間を、社外でサポートしてくれるシステムも誕生した。資生堂グループが始めた職場復帰のためのインターネット・プログラム「wiwiw(ウィウィ)」は、eラーニング最大手「ネットラーニング」の協力を得て、企業の代わりに育休中の社員に対してさまざまな育児支援を行っている。「育休期間を子どもに縛られるというネガティブな考えではなく、自分の能力をブラッシュアップしたり、人として豊かになれる時間ととらえ、このプログラムを開発しました」
と、プログラムの企画・開発に携わる小林紋子さんは話す。
内容は「職場復帰と育児情報に役立つインフォメーション」「休業者同士、職場上司と情報交換できるコミュニティー」「ビジネスやライフスタイルに役立つオンライン講座」の3本立て。育児休暇中のプランを一緒に作成したり、出産経費をシミュレーションするなどかゆいところに手が届くサービス。人気のオンライン講座は、簿記やTOEIC、料理講座などの19コースだが、6月から60コースに増える見込みだ。
「会社の上司からも時々メールが届くので、育休をはさむことでかえっていいコミュニケーションが取れるようになるかもしれませんね」と小林さん。
今年1月にスタートしたばかりの「wiwiw」だが、すでに236社が導入。帝人、ヤマハ、ワコール、ホテル日航、KDDIなどの企業が名を連ね、学校や自治体なども検討しているところが少なくない。
サービスを受けられるのは導入会社の社員に限られるが、インターネットで公開しているため、「個人で受けたい」との問い合わせもあるそうだ。今後、社員の求めに応じて企業が導入するケースも増えてくるのではないだろうか。

(~「wiwiw」常務執行役員。「オンラインと並行し、24時間電話相談も行っています」 写真・図省略~)