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教育新聞  2007年(平成19年)10月11日 4面

現場で役立つ手法示す
「Englishあいうえお」など アジアネット教育研究所がシンポ

 小学校英語教育のためのワークショップとパネルディスカッションが9月30日、東京・千代田区の日本教育会館で開設された。㈱アジアネット教育研究所が主催した「シンポジウム2007~高度専門職業人の継続教育に求められるもの」のなかで行われたもの。
 ワークショップでは、関西大学外国語教育研究機構の靜哲人教授が「めっちゃおもしろ役立つEnglishあいうえお」をテーマに講演し、参加者を交えてその手法を実演した。
 靜教授は、小学校英語教育において教員が、最も気にかかることとして発音をあげている点から、楽しく、効果的な子母音の発音練習の手法を示した。
 子音では f、v、th、r を取り上げ、舌や唇の形や歯の位置を意識しながら、「あいうえお」の日本語の母音をそれぞれの子音に付けて発音。f ならば、下唇を上前歯に強く当てて 「fぁ、fぃ、fぅ、fぇ、fぉ」 と声に出す。会話の流れや単語の中に入ってくる子音の発音を練習するためには、f の前後に日本語の母音を付けて「ぁfぁ、ぃfぃ、ぅfぅ、ぇfぇ、ぉfぉ」と練習。
 また、言葉の流れに乗せて行う発音練習では「English五七五」を紹介。「ゆうはんに/ふろふきだいこん/ふーふーと」の「は・ふ」を、正しい f 音を意識しながら発声していく。
 日本語の発音として慣れている母音と英語の子音との組み合わせによって「へんな日本語」に聞こえることを楽しみながら、英語らしく発音できるのが特長。
 母音の練習では、「えに近いあ」や「うに近いあ」などで日本語のア行からワ行までを発音していく。
 このほか、R と L の聞き分けや「English三三七拍子」などを行い、「めっちゃおもしろい」ワークショップが展開された。
 つづいて行われたパネルディスカッションでは、次のような見解が述べられた。
 「1週1コマの小学校英語が導入されても、英語に触れる時間は日本語の1%以下なので、これで国語がおかしくなるという論議は成り立たない」(齋藤榮二京都外国語大学特任教授)
 「児童を英語好きにさせるための教師の資質は、使用頻度の高いクラスルーム・イングリッシュを使えること」(高梨康雄京都ノートルダム女子大学客員教授)
 「小学校英語先進校の実施経験について総括されないままに進んでいるので、実践内容の再評価のための十分な検討が必要」(久埜百合中部学院大学客員教授)
 「子どもたちには自然に学んでいく力が備わっている。この力を認め、受け入れよう。小学校英語は英語の学びのきっかけで、担任の先生が完璧である必要はない」(デイビッド・ローゼンフェルド高槻市教育センターAETスーパーバイザー)
 「発信型の授業や教材作成を支援し、子どもたちの伝えたい気持ちを形にする道具として、パソコンやインターネットを大いに活用しよう」(住政二郎姫路濁協大学専任講師)

(~ワークショップでは様々な手法が実演された~ 写真省略)