NetLearning in News ~掲載記事一覧~

日経産業新聞 2006年(平成18年)3月8日 2面

ネット教育 語学に商機  ~個人向け需要を逃すな~

キヤノンや小学館などが出資するインターネット教育会社、ネットラーニング(東京・新宿、岸田徹社長)は、語学分野の教育事業を本格展開する。携帯音楽プレーヤーなどで再生する「ポッドキャスティング」を使った英会話講座を始めたほか、ウェブサイト上のeラーニング方式の中国語講座も進出する。ネット教育市場の個人向け需要を掘り起こす狙い。

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ネットラーニングが強化
 [英語] ポッドキャスト活用
 [中国語] 今春にも初級者向け

ポッドキャスティングの英会話講座は「イングリッシュ・アヤ・ポッド」。週2回無料で配信し、1回分は30分程度。ネーティブスピーカーによる会話、訳や文法説明などを盛り込む。利用者は同社サイトやiチューンズミュージックストア(iTMS)から音声のデータを取り込める。

講座と連動した無料の補足メールマガジンも毎日配信する。受講者に同社の有料eラーニング講座を案内したり、メルマガに外部企業の広告を掲載したりすることで収益につなげる。

eラーニング式の中国語講座は今春中に始める予定。初級者レベルを想定し、ビジネスの場面などを題材に、正確な発音や文法、語彙(ごい)、決まり文句を学べる。

日本に来た海外留学生向けに日本語講座を設けることも検討中だ。同社の語学分野はこれまで英語のTOEIC対策が中心だったが、講座の幅を広げ、事業として本格的に立ち上げる。3年後に語学分野で年間10億円程度の収入を目指す。

ネットラーニングは1998年設立のネット教育大手で、延べ受講者数は約100万人。国内のネット教育市場は企業研修での利用が中心だが、「iPod」を使った語学教育に人気が集まるなど、語学分野は個人の需要増につながるとみている。

野村総合研究所の見通しでは、インターネットを通じた遠隔教育(eラーニング)の国内市場規模は2008年度に1000億円超となる。このうち個人の自己研さんの市場は08年度に210億円と、04年度推計の2倍を予想している。

塾や資格、語学などの大手の東京リーガルマインド(LEC、東京・千代田)も昨年にネット教育子会社を設立した。iPodを活用した語学講座も始めている。

(写真・図表省略)