NetLearning Press Room~過去の新着情報~
2008年春期 初級システムアドニミストレータ試験解答速報
講評
【午前】
出題分野は、例年と同じですが、定番テーマであっても、問うポイントや選択肢が従来と少し異なるなどの点が、難しい印象を与えました。新試験制度の実施を前にして、出題の傾向が技術よりになっているように見受けられます。
今回の出題を分析すると、下記のようになります。[カッコ]内は、前回との比較です。
(2)の分野が増え、その分、(1)(3)の分野が少し減りました。総量としては、全体の出題分野への影響は微少です。
(1) | コンピュータシステム | 問1-20 | 20問 | [-5] |
(2) | システムの開発と運用 | 問21-45 | 25問 | [+6] |
(3) | セキュリティシステムと標準化 | 問46-60 | 15問 | [-1] |
(4) | 情報化と経営 | 問61-80 | 20問 | [±0] |
午前の出題としては、定番テーマの出題を保ちながら、過去問題から頻出問題を多めに出題しています。さらに、よく出るテーマであっても、技術系のテーマに主軸をおきつつ、問うポイントや選択肢の示し方が平年と違う出題がありました。キーワードとその意味を詰め込んだだけの学習に終わった方にとっては、少し苦戦を強いられた出題だったと観察しています。
全体的な時間難易度は、計算問題にやや時間がかかり、初出のテーマや久々の出題テーマに時間をとってしまった場合には、少し難しく感じられたのではないかと推測されるため、平年より「やや難」と分析しています。
【午後】
午後の出題は、次の内容でした。
- 問1 業務目標の設定および承認手続きのシステム化
- (グラフィカルユーザインタフェース:GUI)
- 問2 稟議書の作成に関する検討(計算)
- 問3 利用者IDとアクセス権の管理(セキュリティ)
- 問4 受託業務の管理と依頼管理データベース(データベースの利用)
- 問5 縫製工場の生産管理とルールの決定表(決定表)
- 問6 カタログギフトの注文受付管理システムの開発におけるE-R図とDFDの分析
- (データベースの利用、E-R図、DFD)
- 問7 受注処理の改善に関するロジックツリーと表計算ソフトを用いた処理の設計
- (ロジックツリー、表計算ソフトの利用)
[前半 問1-3]
問2が計算問題を交えた出題で、解答に時間がかかります。時間配分の練習をしておかないと、前半の3問に時間を費やし、高得点が期待できる後半の問題に手が回らずにボーダーラインを超える点が得られないケースが考えられます。
[後半 問4-7]
問4、6がデータベースの利用に関する問題、問7が表計算ソフトの利用に関する問題で安定した定番問題を出題しています。問7は、問題の分量が少々多めでしたが、それほど解答に困るということはなかったと推測しています。SQL、E-R図、DFD、表計算と業務要件の分析に関して、平年の出題テーマについて過去問題を中心に学習された方にとっては、勉強の成果を十分に感じたと観測しています。
特に、問4、6、7について、問題文や表、グラフをよく読みながら、落ち着いて解答された方は高得点が期待できる出題でした。
全体的な時間難易度は、前半に時間がかかる傾向の問題があり、平年より「やや難」と分析しています。
【総評】
過去問題を交えた解答演習の量が不足したり、学習時間を多く取れなかった方にとっては、少々苦戦を強いられた展開になったと推測しています。
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【参考サイト】
・ 情報処理技術者試験センター
・ 平成20年度春期 情報処理技術者試験 試験区分ごとの問題配点割合
・ 合格発表日、合格証書発送日、官報公示日
午前試験
☆:定番のテーマ ★:初出題テーマ、久々の出題、問い方がユニークな問題を含みます問題 | テーマ | 定番 | 新傾向 | 解答 | 問題 | テーマ | 定番 | 新傾向 | 解答 |
問1 | 磁気ディスク装置の仕様のうち,サーチ時間に直接影響を及ぼすもの | ☆ | イ | 問41 | PC、サーバ、ネットワーク機器などの導入から運用までの総費用を表す用語 | ☆ | ア | ||
問2 | デフラグメンテーションの説明 | ☆ | エ | 問42 | コンピュータシステムの利用料金を逓減課金方式にしたときのグラフ | ウ | |||
問3 | グラフィックスボードヘ高速に転送するための専用インタフェース | ☆ | ア | 問43 | 初期コストに含まれるもの | ★ | ウ | ||
問4 | 赤外線を用いるデータ転送の規格 | ☆ | イ | 問44 | 社内システムにおける利用者IDの管理 | ★ | ウ | ||
問5 | CADシステムの図形入力などに使用されるポインティングデバイス | ☆ | エ | 問45 | 項目間の相対的なバランス評価や平均からの隔たり具合を見るグラフ | ★ | エ | ||
問6 | 必要になる仮想記憶の容量の計算 | エ | 問46 | ディジタル証明書を入手した後に認証局の公開鍵を利用する処理 | ★ | ウ | |||
問7 | UNIXのプログラム実行環境 | ☆ | エ | 問47 | ハッシュ値と、受信者がメール本文から求めたハッシュ値とを比較して実現できること | ★ | ア | ||
問8 | ファイルをディレクトリで管理するファイルシステムに関する記述 | エ | 問48 | 暗号化に用いる鍵 | ☆ | ウ | |||
問9 | ワイルドカードの機能 | ☆ | イ | 問49 | 取引当事者から独立した第三者機関である認証局(CA)が作成するもの | ★ | ア | ||
問10 | データの圧縮比率の計算 | ア | 問50 | データベース接続プログラム間で送受信されるデータが、通信経路上で盗聴されることに対する対策 | ☆ | ア | |||
問11 | ピアツーピアの特徴 | ☆ | イ | 問51 | 読取り、更新、配下のファイル作成のアクセス権の組合せ | ★ | イ | ||
問12 | ジョブのターンアラウンドタイムの計算 | イ | 問52 | 情報漏えい対策として有効なもの | ★ | エ | |||
問13 | 稼働率の差の計算 | ☆ | ウ | 問53 | 電子メールに用いられるS/MIMEの機能 | ★ | イ | ||
問14 | システムの信頼性の指標 | エ | 問54 | リスク分析に関する記述 | ★ | ア | |||
問15 | RASISに関する記述の可用性(アベイラビリティ)の説明 | ☆ | ウ | 問55 | ISO 9001:2000 にかかわる審査登録に関する記述 | ★ | エ | ||
問16 | TCP/IPネットワークにおいてネットワークの疎通確認に使われるもの | ☆ | エ | 問56 | JIS Q 27001:2006におけるISMSの確立に必要な順序関係 | ★ | エ | ||
問17 | メールサーバのメールボックス総容量不足を回避する対策 | ☆ | ア | 問57 | 異なるOSのエディタで作成された文章の表示 |
☆ | イ | ||
問18 | ADSLモデムと電話機を接続する装置 | ☆ | ア | 問58 | 国際規格になっている静止画像の圧縮方式 | ☆ | イ | ||
問19 | 文字、静止画、動画、音声、音楽などで表現された情報同士をリンクさせ次々と関連情報に到達できるようにしたもの | ☆ | エ | 問59 | DVDの媒体のうち、利用者がデータを書き込めるが書き換えられない媒体 | ☆ | ア | ||
問20 | マルチメディアオーサリングツールの説明 | ア | 問60 | プロポーショナルフォントの説明 | ★ | イ | |||
問21 | HTMLの説明 | ☆ | イ | 問61 | 導入期、成長期、成熟期、衰退期などの各段階に応じて計画することを表すもの | ★ | エ | ||
問22 | JavaScriptの特徴 | ☆ | ア | 問62 | 事業の特徴を表すもの | ウ | |||
問23 | 分類した結果を列に表示するために入力する計算式 | ☆ | エ | 問63 | インターネット上における取引形態 | ★ | ウ | ||
問24 | 売上指数を計算するために入力する計算式 | ウ | 問64 | 企業の財政状態を明らかにするもの | エ | ||||
問25 | 再配布の自由、再配布時のソースコード包含、派生ソフトウェア改変の許諾などが要求されるソフトウェア | ☆ | ア | 問65 | 損益分析に関する記述 | イ | |||
問26 | ワープロの“差込み印刷”機能の説明 | ☆ | エ | 問66 | 来期の利益を2倍以上にする販売個数の計算 | ウ | |||
問27 | エンドユーザコンピューティング(EUC)に関する記述 | ★ | エ | 問67 | 損益分析における固定費 | エ | |||
問28 | ウォータフォールモデルでシステムを開発する場合に開発期間の短縮に効果が期待できる方法 | ★ | ウ | 問68 | ワークサンプリング法 | ア | |||
問29 | プロセス制御などの事象駆動(イベントドリブン)による処理の仕様を表現する方法 | ★ | エ | 問69 | ガントチャートの説明 | ★ | ア | ||
問30 | 入力方式としてプルダウンメニューまたはポップアップメニューを用いるのが適しているもの | ウ | 問70 | 不良品発生の上位を占める要因と割合を表している図 | ア | ||||
問31 | プログラムのテストに関する記述 | ★ | エ | 問71 | 製造日ごとの品質特性値のグラフ | エ | |||
問32 | 結合テストの手法 | ☆ | エ | 問72 | 連関図法の説明 | ★ | ウ | ||
問33 | ホワイトボックステストのテストデータを作成するときの注目点 | ☆ | イ | 問73 | 各製品をそれぞれの機械で加工するのに要する時間と加工順序 | イ | |||
問34 | クリティカルパス | ☆ | エ | 問74 | 生産予定から構成部品の必要量を計算する手法 | ★ | エ | ||
問35 | ソフトウェア開発においてWBS (Work Breakdown Structure)を使用する目的 | ★ | エ | 問75 | アクセシビリティの説明 | ★ | エ | ||
問36 | 単体テストの進捗率の計算 | ★ | ウ | 問76 | 電子自治体におけるGtoB |
★ | イ | ||
問37 | ソフトウェア開発の生産性に関する記述 | ★ | ア | 問77 | プログラムの著作物と著作権法 | ★ | エ | ||
問38 | ニューメリックチェックの説明 | ☆ | イ | 問78 | 派遣契約に基づいて就労している派遣社員に対する派遣先企業の対応 | ★ | イ | ||
問39 | ファイル転送の際に事前に確認すべき項目 | ★ | ア | 問79 | ボリュームライセンス契約の説明 | ★ | ア | ||
問40 | 印刷されたマニュアルをオンラインマニュアルに替えることによって改善が期待できる問題 | ★ | ア | 問80 | e-文書法の説明 | ★ | イ |
午後試験
問題 | テーマ | 設問 | 解答 | |
問1 | 業務目標の設定および承認手続きのシステム化 |
1 | a | オ |
b | ウ | |||
c、d | エ、オ | |||
e | イ | |||
2 | f | ア | ||
g | カ | |||
h | エ | |||
i | ウ | |||
j | エ | |||
k | ウ | |||
l | オ | |||
問2 | 稟議書の作成に関する検討 |
1 | a | イ |
b | ウ | |||
c | ク | |||
d | エ | |||
e | イ | |||
2 | f | ウ | ||
g | ウ | |||
h | オ | |||
i | エ | |||
j | ア | |||
問3 | 利用者IDとアクセス権の管理 | 1 | a | ア |
b | エ | |||
c | カ | |||
d | イ | |||
e | オ | |||
2 | ア | |||
3 | オ | |||
問4 | 受託業務の管理と依頼管理データベース | 1 | a | エ |
b | イ | |||
2 | c | ア | ||
d、e | エ、オ | |||
f | イ | |||
g、h | ア、エ | |||
問5 | 縫製工場の生産管理とルールの決定表 | 1 | a | イ |
b | キ | |||
c | イ | |||
d | エ | |||
2 | e | ア | ||
f | カ | |||
g | ウ | |||
3 | h | イ | ||
i | ク | |||
4 | j | ウ | ||
k | エ | |||
l | ク | |||
問6 | カタログギフトの注文受付管理システムの開発におけるE-R図とDFDの分析 |
1 | a | ア |
b | イ | |||
c | イ | |||
d | イ | |||
e | ウ | |||
f | エ | |||
g、h | エ、カ | |||
2 | i | ア | ||
j | イ | |||
k | ウ | |||
l | オ | |||
m | イ | |||
n | ウ | |||
3 | o | カ | ||
p | オ | |||
問7 | 受注処理の改善に関するロジックツリーと表計算ソフトを用いた処理の設計 |
1 | a | エ |
b | オ | |||
c | キ | |||
d | ア | |||
e | ク | |||
2 | f | ウ | ||
g | ウ | |||
h | ウ | |||
i | カ | |||
3 | j | エ | ||
k | エ | |||
l | オ |