NetLearning Press Room~過去の新着情報~
2007年秋期 基本情報技術者試験解答速報
講評
【午前】
出題分野は、例年と同じです。(4)(5)(6)(7)は、特に頻出問題が多く、この分野のテーマが得意になると、安定した得点をあげることができ、午後の得点アップにもつながります。
今回の出題を分析すると、下記のようになります。[カッコ]内は前回との比較です。
(3)の分野が増え、(5)(6)(7)の分野の出題がその分、少し減りましたが、全体の出題分野比率への影響は微少です。
(1) | コンピュータ科学基礎(一般) | 問1-11 | 11問 | [±0] |
(2) | コンピュータ科学基礎(アルゴリズム・データ構造) | 問12-15 | 4問 | [±0] |
(3) | コンピュータシステム | 問16-41 | 26問 | [+3] |
(4) | システムの開発と運用 | 問42-53 | 12問 | [±0] |
(5) | ネットワーク技術 | 問54-58 | 5問 | [-2] |
(6) | データベース技術 | 問59-63 | 5問 | [-1] |
(7) | セキュリティと標準化 | 問64-69 | 6問 | [-1] |
(8) | 情報化と経営 | 問70-80 | 11問 | [+1] |
全体としては、安定して定番テーマの出題が続いています。過去問題のリピート問題、類似問題の出題を交え、広い範囲から事例問題や計算問題、知識問題を豊かに出題したという印象です。
事例問題や計算問題は、解答を得るまでの手間が相応にかかりますが、ネットラーニングのコースにでてくるような過去問題などで解答練習をしてこられた方にとっては、慣れた手順で解答でき、あまり負担とはならなかったのではないでしょうか。
知識問題も、全般に解答に時間のかかる問題は少なく、定番問題を数多く出題しています。過去問題や類似問題が多く、一度でも解いたことがある方にとっては、たいへん取り組みやすい出題でした。また、新傾向の出題は例年より少なめでした。
午前試験全体として、他の区分の試験問題からの出題もあり、易しくなったということではありませんが、過去問題や類似問題の出題が多く、過去問題演習を中心に午前の対策を勉強された方にとっては、かなり合格に対する手ごたえが大きい出題といってよいでしょう。午前問題の難易度としては、「標準的」と観察しています。
【午後】
- 問1 浮動小数点表示法(IEEE754形式)
- 問2 関係データベース(SQL文)
- 問3 通信回線(稼働率)
- 問4 スタックを使って実数値を10進数字列(文字列)に変換する副プログラム(擬似言語)
- 問5 突合せを含むファイル処理(プログラム設計)
- 問6~13 プログラミング言語(C、COBOL、Java、アセンブラ)
問1から3は、定番のテーマがセットででました。どれも午前と共通のテーマですから、時間的にも余裕をもって解かれた方が多いのではないかと推測しています。問2のSQL文は、ここ数回、出題されなかったのでメインの学習テーマから除いて学習された方にとっては、苦戦する問題になったかもしれません。
問4の擬似言語は、問題文に記述されたアルゴリズムを参考にして丁寧にトレースすれば、全体の流れを把握できる問題でした。
問5のプログラム設計も、同じく問題文に記述されたヒントを落ち着いてたどることにより、解答できる問題でした。文量が多くいっけん難しそうな問題は、たくさんのヒントが隠れているというセオリーどおりの出題です。
プログラム言語は、図解を多用して理論をなるべく易しく展開できるように工夫した出題が多く、標準的な難易度と考えています。4言語の中では、とりわけCOBOLとアセンブラが比較的解きやすいという印象です。
午後試験全体として難しい問題はなく、午後問題の難易度としては、「標準的」と観察しています。
【総評】
前回同様、解答戦略が重要なポイントとなる出題でした。
午前問題は、過去問題、類似問題の出題が多く、数回前の過去問題を中心にしっかり学習をされた方にとっては、難しいと感じる出題は少なかったのではないでしょうか。そのため、問1から解答するのではなく、試験の前半で、頭がすっきりしている時間に得意分野の問題をより多く解き、計算問題や苦手分野の問題を後回しにして、テンポのよい解答姿勢を取るという戦略を選択された方が高正答率となり、合格ラインにより近い、あるいはそれ以上の答案を作られたと推測します。
午後問題は、問1~3に定番テーマがでました。過去問題を丹念に学習された方は、短時間で解答を終えられたことでしょう。問4(擬似言語)、5(プログラム設計)やプログラム言語も設問のポイントを読みとることができれば、難しくない問題でした。
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【参考サイト】
・ 情報処理技術者試験センター
・ 平成19年度秋期 情報処理技術者試験 試験区分ごとの問題配点割合
・ 合格発表日、合格証書発送日、官報公示日
午前試験
☆:定番のテーマ ★:初出題テーマ、久々の出題、問い方がユニークな問題を含みます問題 | テーマ | 定番 | 新傾向 | 解答 | 問題 | テーマ | 定番 | 新傾向 | 解答 |
問1 | 16進小数、10進数の分数変換 | ☆ | ウ | 問41 | Javaプログラムにおける仕様 | ☆ | ア | ||
問2 | 2進数の計算 | ア | 問42 | CMMI の説明 | ★ | ア | |||
問3 | 負の整数を表現する方法 | ★ | エ | 問43 | DFDの説明 | ☆ | エ | ||
問4 | 浮動小数点形式における丸め誤差 | ☆ | イ | 問44 | オブジェクト指向の特徴 | ☆ | エ | ||
問5 | 連立一次方程式の解を求める計算時間 | ウ | 問45 | UMLのクラス図に記述するもの | エ | ||||
問6 | 確率の計算 | ☆ | エ | 問46 | ボトムアップテストの特徴 | ☆ | エ | ||
問7 | 相関係数 | ア | 問47 | プログラムテストの管理図の分析 | ☆ | ア | |||
問8 | 集合の式 | ウ | 問48 | アローダイアグラムにおける作業短縮日数の計算 | ☆ | ウ | |||
問9 | 真理値表 | エ | 問49 | プロジェクト全体の進捗度の計算 | ウ | ||||
問10 | 状態遷移表 | ア | 問50 | データベースのロールバック処理の説明 | ☆ | エ | |||
問11 | 探索方法と実行時間 | ☆ | ア | 問51 | システムの移行テストを実施する主要な目的 | ☆ | ア | ||
問12 | 2分木 | エ | 問52 | マスタファイルの整備方針 | イ | ||||
問13 | 関数が操作するデータ構造 | イ | 問53 | システムの修正部分が悪影響を及ぼさずに正しい結果が得られることを検証するテスト | ☆ | ウ | |||
問14 | 2分探索法のアルゴリズム | ☆ | ウ | 問54 | サブネットマスクの説明 | ☆ | エ | ||
問15 | 関数が示す値 | イ | 問55 | メールサーバ間で電子メールを転送するときに使われるプロトコル | ☆ | エ | |||
問16 | フリップフロップ回路を利用した高速なメモリ | エ | 問56 | 音声のサンプリング間隔の計算 | ウ | ||||
問17 | 論理回路 | ☆ | ウ | 問57 | CSMA/CD方式の LAN におけるブロードキャストによるデータ伝送の説明 |
☆ | エ | ||
問18 | アドレス指定方式 | ア | 問58 | スイッチングハブ(レイヤ2スイッチ)の説明 | ☆ | イ | |||
問19 | CPUの命令実行数の計算 | エ | 問59 | 関係データベースの表操作 | ☆ | エ | |||
問20 | 外部割込み | ☆ | ア | 問60 | E-R図に関する記述 | ☆ | ウ | ||
問21 | キャッシュメモリのヒット率計算 | ☆ | エ | 問61 | 関係データベースの更新処理 | ☆ | ア | ||
問22 | メモリインタリーブの説明 | ☆ | エ | 問62 | データベースを回復する操作 | ☆ | エ | ||
問23 | メモリの誤り制御方式 | ☆ | エ | 問63 | 関係データベースの説明 | ☆ | イ | ||
問24 | ファイルアクセスの高速化を図る手法 | ☆ | ウ | 問64 | 公開鍵暗号方式に関する記述 | ☆ | イ | ||
問25 | USBの特徴 | ☆ | エ | 問65 | ディジタル証明書の説明 | ウ | |||
問26 | プログラムを主記憶に読み込んでおき、CPUが順次読み出し実行する方式 | ☆ | エ | 問66 | コンピュータウイルス対策ソフトのパターンマッチング方式の説明 | ★ | イ | ||
問27 | スプーリング機能の説明 | ☆ | ウ | 問67 | SSL/TSLを利用することによってい実現できるもの | ☆ | イ | ||
問28 | 出力待ちの印刷要求の印刷に要した時間 | ★ | ア | 問68 | 緊急事態を装う不正な手段によってパスワードや機密情報を入手する行為 | ☆ | ア | ||
問29 | ロード位置に対応してプログラム以内のアドレス情報を補正することを示す用語 | ☆ | ウ | 問69 | ISMSプロセスのPDCAモデルにおけるPLANで実施するもの | エ | |||
問30 | カレントディレクトリの状態 | ☆ | ア | 問70 | QRコードの特徴 | ☆ | ア | ||
問31 | 密結合マルチプロセッサシステムの説明 | ☆ | ウ | 問71 | SCMの説明 | ☆ | エ | ||
問32 | ベンチマークに関する説明 | ☆ | ウ | 問72 | 営業損益の計算式 | イ | |||
問33 | システムの稼働率の説明 | ☆ | イ | 問73 | 製品を製造する案の評価 | イ | |||
問34 | システムの稼働率の計算 | ☆ | イ | 問74 | ABC分析を適用する事例 | イ | |||
問35 | システムの復旧時間の検討 | ☆ | エ | 問75 | パレート図の説明 | エ | |||
問36 | Webサーバの指示によってブラウザにユーザ情報などを保存する仕組み | ☆ | イ | 問76 | 相関係数と回帰直線の分析 |
ウ | |||
問37 | Webコンテンツをキャッシュすることによりアクセスを高速にする仕組み | ☆ | エ | 問77 | 表を用いて求める最大の売上高の計算 | ウ | |||
問38 | データマイニングの説明 | ☆ | イ | 問78 | 在庫補充量の算出式 | ア | |||
問39 | プログラムの各種特性の説明 | イ | 問79 | EDI を実施するための規定 | エ | ||||
問40 | 各種言語プロセッサの説明 | ☆ | ウ | 問80 | 労働者派遣法 | ☆ | ウ |
午後試験
問題 | テーマ | 設問 | 解答 | |
問1 | 機械語命令の実行 | 1 | a | イ |
b | ウ | |||
c | オ | |||
2 | ウ | |||
問2 | 関係データベース |
1 | イ | |
2 | a | エ | ||
b | オ | |||
c | カ | |||
3 | エ | |||
問3 | システム開発の計画立案 | a | ウ | |
b | ウ | |||
c | イ | |||
d | イ | |||
問4 | 擬似言語(整列) | 1 | a | エ |
b | ウ | |||
c | エ | |||
d | ア | |||
2 | e | ア | ||
f | ウ | |||
問5 | プログラム設計(マッチング) | 1 | エ | 2 | a | ア |
3 | b | イ | ||
c | イ | |||
d | ア | |||
問6 | 双六ゲーム(C) | a | オ | |
b | カ | |||
c | エ | |||
問7 | 選挙速報を画面に表示するプログラム(COBOL) | a | オ | |
b | ウ | |||
c | エ | |||
d | ウ | |||
問8 | 英語の月名を2種類の順序に並べ替えるプログラム(Java) | 1 | a | イ |
b | エ | |||
c | イ | |||
2 | ア | |||
問9 | ビット列が左右対称かどうかを検査するプログラム(アセンブラ) | 1 | a | カ |
b | カ | |||
2 | ウ | |||
問10 | リーグ戦の勝敗表を出力するプログラム(C) | 1 | a | エ |
2 | b | エ | ||
c | イ | |||
d | ア | |||
e | イ | |||
f | オ | |||
問11 | 保護者名簿の作成プログラム(COBOL) | 1 | a | イ |
b | イ | |||
c | ウ | |||
d | ア | |||
e | オ | |||
2 | f | イ、ウ (順不同) |
||
g | ||||
問12 | 三目並べを行うプログラム(Java) | 1 | a | イ |
b | イ | |||
c | ア | |||
d | イ | |||
2 | ウ、キ | |||
問13 | メモリプールの管理を行う副プログラム(アセンブラ) | 1 | a | ウ |
b | オ | |||
2 | c | イ | ||
d | ウ | |||
e | ア | |||
f | ア | |||
3 | g | イ | ||
h | エ |