NetLearning Press Room~過去の新着情報~
2008年春期 基本情報技術者試験解答速報
講評
【午前】
出題分野は例年と同じで、定番テーマがそろい、勉強の成果と手ごたえを十分に感じたのではないでしょうか。特に(4)(5)(6)(7)は、頻出問題が多く、このテーマが得意になると、午前問題で安定した得点をあげることができ、さらに午後の合格ラインにグッと近づく、一石二鳥の学習効果が表れます。
今回の出題を分析すると、下記のようになります。[カッコ]内は、前回との比較です。
(1)(2)を除いた各分野で多少の増減がありますが、総量としては、全体の出題分野への影響はほとんどありません。
(1) | コンピュータ科学基礎(一般) | 問1-11 | 11問 | [±0] |
(2) | コンピュータ科学基礎(アルゴリズム・データ構造) | 問12-15 | 4問 | [±0] |
(3) | コンピュータシステム | 問16-36 | 21問 | [-5] |
(4) | システムの開発と運用 | 問37-51 | 15問 | [+3] |
(5) | ネットワーク技術 | 問52-55 | 4問 | [-1] |
(6) | データベース技術 | 問56-62 | 7問 | [+2] |
(7) | セキュリティと標準化 | 問63-67 | 5問 | [-1] |
(8) | 情報化と経営 | 問68-80 | 13問 | [+2] |
全体としては、平年どおりの定番テーマの出題が続いています。今回の試験では、過去問題・類似問題が増えたという印象を受けます。技術的な基礎をきちんと押さえながら、事例問題や計算問題、知識問題を交えた解答練習を重ねて、しっかり身につけるタイプの学習をしてくださいという、出題側からのメッセージを感じ取ることができます。過去問題からやや多めに出題が行われた分、初出のテーマが少ない傾向となりました。
全体的な時間難易度は、前回同様と分析しています。他の区分の試験問題からの出題もあり、易しい出題ばかりということではありませんが、過去問題や類似問題の出題が多く、過去3回~5回などの問題演習を中心に学習された方にとっては、一度、解いたことがある問題がかなり含まれていたと推測しています。
午前問題の難易度としては、「標準的」と分析しています。
【午後】
午後の出題は、次の内容でした。
- 問1 ハードディスク装置(ハードディスク装置の仕様と特性)
- 問2 文字列の出現回数を数えるプログラムの説明とプログラム(擬似言語)
- 問3 データファイルのバックアップ(ファイルのバックアップとデータの復旧)
- 問4 リストを作成するのに用いるプログラムの説明とプログラム(擬似言語)
- 問5 販売構成一覧作成プログラム(プログラム設計)
- 問6~13 プログラミング言語(C、COBOL、Java、アセンブラ)
[必須 問1-5]
問2のテーマは「文字列の置換」、問4のテーマは「リスト構造」の擬似言語の問題、問5のテーマは「処理の流れ」のプログラム設計という定番の出題となりました。この3問の得点を軸にボーダーラインを超える得点計画がたてられると有利に展開できたのではないでしょうか。
問1のテーマは「ハードディスクのアクセス時間計算」で、これも多くの方が午前対策で学習されていたことでしょう。ただし、計算問題なので、時間をかけ過ぎないで正確に解くことがポイントになります。
問3のテーマは「バックアップ」で、多少の計算もあり、多くの方が、初めて取り組む分野の問題ということで難しいと感じられたと推測しています。
[必須 問6-13]
プログラム言語は、前回に続いて図解を交えて出題をわかり易く工夫した問題が多い印象を受けました。Javaとアセンブラ、COBOLは少し易しく、Cが少し難しかったと観察しています。
【総評】
午前問題は、過去問題から繰り返し出題されるリピート問題や類似問題の出題が目立ちましたので、過去問題を交えた解答演習の量や学習時間の多さが合格のポイントになる試験となりました。午後問題は、定番の擬似言語とプログラム設計に関するテーマ問題の解答練習にじっくり取り組んだ方にとっては、合格の手ごたえを感じる展開になったと推測しています。
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【参考サイト】
・ 情報処理技術者試験センター
・ 平成20年度春期 情報処理技術者試験 試験区分ごとの問題配点割合
・ 合格発表日、合格証書発送日、官報公示日
午前試験
☆:定番のテーマ ★:初出題テーマ、久々の出題、問い方がユニークな問題を含みます問題 | テーマ | 定番 | 新傾向 | 解答 | 問題 | テーマ | 定番 | 新傾向 | 解答 |
問1 | 16ビットの2進数n を16進数の各けたに格納するための手順 | イ | 問41 | システム開発の外部設計工程で行う作業 | ☆ | エ | |||
問2 | 10進数の分数を16進数の小数で表した数 | エ | 問42 | DFDの説明 | ☆ | ウ | |||
問3 | 負数の2の補数表現 | ☆ | イ | 問43 | オブジェクト指向におけるクラスとインスタンスとの関係の説明 | ★ | イ | ||
問4 | 2進数で格納されている正の整数x を10倍にする操作 | ☆ | ア | 問44 | モジュール間の情報の受渡し方法のうち、モジュール結合度が最も弱いもの | ☆ | ウ | ||
問5 | 浮動小数点の演算で情報落ちが発生する計算式 | ★ | ウ | 問45 | ホワイトボックステストのテストデータを作成するときの注目点 | ☆ | イ | ||
問6 | ニュートン法に関する記述 | ア | 問46 | デザインレビューを実施するねらい | イ | ||||
問7 | 2個の文字を使った長さ1以上7以下の文字列の組合わせ数 | イ | 問47 | プログラミングの標準化に関する記述 | イ | ||||
問8 | 標本の分布と回帰直線を表したグラフ | ウ | 問48 | テストデータを複数条件網羅による設定に変更したときに加えるべきテストデータ | ☆ | エ | |||
問9 | 真理値表で示される関数 f ( x, y, z )を表す論理式 |
イ | 問49 | 開発から運用への移行を円滑かつ効果的に進めるための方法 | ウ | ||||
問10 | 7ビットの文字コードの先頭に1ビットの偶数パリティビットを付加する16進表現 | イ | 問50 | コンピュータシステムの利用料金を逓減課金方式にしたときのグラフ | ウ | ||||
問11 | BNFで定義されるビット列Sの表現 | ☆ | ア | 問51 | 複数の業務システムがある場合のアクセス管理の方法 | エ | |||
問12 | 2分探索木の比較する節点の最大数 | ★ | イ | 問52 | IPv4にはなくIPv6で追加・変更された仕様 | ☆ | ア | ||
問13 | データの整列方法に関する記述 | ☆ | エ | 問53 | PCのネットワークアドレスとして適切なもの | ☆ | イ | ||
問14 | ハッシュ値の計算 | ★ | ウ | 問54 | IPアドレスをPCの起動時などに自動設定するために用いるプロトコル | ☆ | ア | ||
問15 | ユークリッドの互除法で引き算をおこなう際の比較回数 | エ | 問55 | 携帯電話などの低速回線用の動画像の符号化に用いられる画像符号化方式 | ☆ | エ | |||
問16 | DRAMの説明 | ☆ | ア | 問56 | 第3正規形の表 | ★ | エ | ||
問17 | スーパスカラの説明 | ★ | ウ | 問57 | 患者がどの医師の診察も受けることができ、かつ診察する医師の特定もできる“診察”表 |
★ | ア | ||
問18 | 命令解読とオベランド読出しの間に行われる動作 | ア | 問58 | “社員”表から職務がプログラマである社員が5人未満の部署の部署コードを探すSQL文 | ア | ||||
問19 | CPUの処理能力の計算(MIPS値) | ☆ | ウ | 問59 | ジョブ1~3のうち二つのジョブをほぼ同時に起動した場合のロックの種別を表す表 | イ | |||
問20 | 処理装置で用いられるキャッシュメモリの使用目的 | ☆ | ウ | 問60 | データベースの回復処理に関する記述 | ア | |||
問21 | 磁気ディスク装置の性能に関する記述 | ☆ | ア | 問61 | クライアントサーバシステムにおけるネットワーク負荷を軽減できる機能 | ★ | エ | ||
問22 | ストリーマ(テープドライブ)の特徴 | エ | 問62 | データベースのアクセス効率を低下させないために定期的に実施する処理 | ★ | イ | |||
問23 | 赤外線を用いるデータ転送の規格 | ☆ | イ | 問63 | ハッシュ値と、受信者がメール本文から求めたハッシュ値とを比較して実現できること | ☆ | ア | ||
問24 | 主としてマウスやジョイスティックなどに用いられるUSBの転送モード | イ | 問64 | バイオメトリクス認証システムの判定しきい値の関係 | ★ | ウ | |||
問25 | 印刷される画像の面積の計算 | エ | 問65 | データベース接続プログラム間で送受信されるデータが、通信経路上で盗聴されることに対する対策 | ☆ | ア | |||
問26 | CADシステムの図形入力などに使用されるポインティングデバイス | ☆ | エ | 問66 | 情報システムヘの脅威とセキュリティ対策の組合せ | エ | |||
問27 | ページ置換えアルゴリズムにLRU方式を採用した場合の例 | ☆ | エ | 問67 | 電子メールに用いられるS/MMEの機能 | ☆ | イ | ||
問28 | 特定のタスクがCPU資源の割当てを待ち続ける可能性が高いタスクスケジューリング方式 | ★ | ウ | 問68 | リスク分析に関する記述 | ア | |||
問29 | 0SにおけるAPI (Application Program Interface)の説明 | イ | 問69 | JIS Q 27001:2006におけるISMSの確立に必要な順序関係 | エ | ||||
問30 | アーカイブの説明 | エ | 問70 | 日本工業標準調査会を説明したもの | ア | ||||
問31 | システム構成の説明 | ☆ | ウ | 問71 | 取引先企業の年間購買推定金額と自社との年間取引実績金額のグラフの説明 | ア | |||
問32 | システムの稼働率を表す計算式 | ☆ | エ | 問72 | 財務諸表のうち企業の財政状態を明らかにするもの | エ | |||
問33 | 故障率の計算 | ☆ | ア | 問73 | 商品の当期の売上高、費用、利益の表 | ウ | |||
問34 | RASISを構成する五つの要素 | ☆ | ア | 問74 | ワークサンプリング法の説明 | ア | |||
問35 | 電話番号とIPアドレスの対応を管理することを主たる機能とする装置 | ウ | 問75 | アローダイアグラムのクリティカルパスでの総所要日数 | ☆ | エ | |||
問36 | ADSLに関する記述 | ☆ | ア | 問76 | 不良品発生の上位を占める要因と割合を表している図 |
ア | |||
問37 | 知識ベースを利用して推論を行うもの | ★ | ア | 問77 | マクシミン原理に従うときの株式投資 | ア | |||
問38 | コンパイラによる最適化の主な目的 | イ | 問78 | 各製品をそれぞれの機械で加工するのに要する時間と加工順序 | イ | ||||
問39 | 電子的な文書の管理や交換を容易に行うための文書記述言語 | ☆ | ウ | 問79 | 派遣労働者が派遣先企業の指示の下に開発したプログラムの著作権の帰属先 | ★ | ア | ||
問40 | 再配布の自由、再配布時のソースコード包含、派生ソフトウェア改変の許諾などが要求されるソフトウェア | ☆ | ア | 問80 | ボリュームライセンス契約の説明 | ★ | ア |
午後試験
問題 | テーマ | 設問 | 解答 | |
問1 | ハードディスク装置 (ハードディスク装置の使用と特性) |
1 | a | オ |
b | イ | |||
c | ウ | |||
2 | d | エ | ||
問2 | 文字列の出現回数を数えるプログラムの説明とプログラム |
1 | a | ア |
b | イ | |||
2 | ウ | |||
問3 | データファイルのバックアップ (ファイルのバックアップとデータの復旧) |
1 | a | エ |
b | イ | |||
2 | c | イ | ||
d | エ | |||
e | エ | |||
問4 | リストを作成するのに用いるプログラムの説明とプログラム (擬似言語) |
1 | a | エ |
b | オ | |||
c | イ | |||
d | ア | |||
2 | オ | |||
問5 | 販売構成一覧作成プログラム (プログラム設計) |
1 | ウ | 2 | a | ウ |
b | ア | |||
3 | c | エ | ||
d | ウ | |||
4 | e | ウ | ||
f | ア | |||
g | ア | |||
問6 | 文書から参考資料名を抜き出して管理するプログラム (Cプログラム) |
a | エ | |
b | イ | |||
c | エ | |||
d | ア | |||
問7 | アンケート結果の集計プログラム (COBOLプログラム) |
1 | a | ア |
b | エ | |||
2 | c | ア | ||
d | エ | |||
問8 | 電気ポットの状態遷移を模したプログラム (Javaプログラム) |
a | ウ | |
b | エ | |||
c | ウ | |||
d | ア | |||
問9 | 単語管理テーブルを作成するプログラム (アセンブラプログラム) |
a | イ | |
b | ウ | |||
c | エ | |||
問10 | 正の有限小数または循環小数を既約分数に変換するプログラム(Cプログラム) | a | ア | |
b | ア | |||
c | ウ | |||
d | ウ | |||
e | エ | |||
f | エ | |||
問11 | 政党別獲得議席数リストを出力するプログラム (COBOLプログラム) |
1 | a | エ |
b | ウ | |||
c | イ | |||
d | ウ | |||
2 | e | エ | ||
f | オ | |||
問12 | "キー=値"の形式(プロパティ形式)で出力するプログラム (Javaプログラム) |
1 | a | ウ |
b | イ | |||
c | ア | |||
d | ア | |||
2 | e | エ | ||
f | イ | |||
g | ア | |||
h | ウ | |||
問13 | 最大値、最小値および平均値を10進数の数字列で出力するプログラム(アセンブラプログラム) | a | ウ | |
b | ウ | |||
c | イ | |||
d | ア | |||
e | エ | |||
f | ア |