eラーニングコンテンツとは?種類と形式、作成のコツも紹介

公開日:2026/08/14(金)

筆者:岸田 努(株式会社ネットラーニング 代表取締役会長 CEO)

eラーニングコンテンツとは?種類と形式、作成のコツも紹介

研修のオンライン化を進めるうえで欠かせないのが「eラーニングコンテンツ」です。動画やテスト、シミュレーションなど形式はさまざまで、扱うテーマも幅広いため、どれを選び、どう用意すればよいか迷う担当者は少なくありません。
本記事では、eラーニングコンテンツとは何かという基本から、代表的な形式と特徴、学習内容の種類、社員の階層別に適した内容までを整理します。さらに、コンテンツを継続的に増やす方法や、上手に作成するコツ、最新のトレンドまで解説するので、自社に合った教材選びの判断材料にしてください。

eラーニングコンテンツとは何か

eラーニングコンテンツとは、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンで学ぶための教材のことです。具体的には、講義動画やスライド、テキスト、確認テスト、アンケート、シミュレーションなど、学習に使う中身そのものを指します。「eラーニング」が学習の仕組み全体を表すのに対し、「eラーニングコンテンツ」はその中で受講者が実際に見て学ぶ教材部分を指す、と考えると分かりやすいでしょう。
教材はLMS(学習管理システム)上で配信・管理されるのが一般的で、受講者の進捗やテスト結果を記録できます。ネットラーニングの次世代LMS「Multiverse®」のようなプラットフォームでは、コンテンツの配信から学習状況の管理までを一体で行えます。同じテーマでも、動画中心の教材もあれば、テストを重視した教材もあり、目的に応じて形式を選べるのが特徴です。eラーニングそのものの基本を知りたい方は、あわせて「eラーニングとは?メリット・デメリットと最近のトレンドを解説」もご覧ください。

eラーニングコンテンツとは何かを教材とLMSの関係で示す図

eラーニングコンテンツの形式と特徴

eラーニングコンテンツにはいくつかの形式があり、それぞれ得意な学び方が異なります。代表的な5つの形式と特徴を押さえておきましょう。

eラーニングコンテンツの形式と特徴を並べて示す図

動画型

講師の解説や実演を動画で見る形式です。表情や動き、画面操作までそのまま伝えられるため、理解しやすく、集合研修に近い臨場感があります。操作手順の紹介や事例の解説など、視覚的に見せたい内容と相性が良い形式です。一方で制作にはやや手間がかかるため、繰り返し使う定番テーマから動画化すると効率的です。

スライド型(テキスト・図解)

スライドやテキスト、図解を中心に読み進める形式です。制作が比較的手軽で、内容の修正もしやすいのが利点です。用語の定義や手順を落ち着いて確認したいときに向いており、通信環境が不安定でも受講しやすいという特徴もあります。要点を箇条書きで整理しやすく、リファレンス的に見返す教材にも適しています。

音声型

ナレーションや対談などを音声で聞く形式です。画面を見続けなくても学べるため、移動中や作業の合間など「ながら学習」に適しています。近年はポッドキャスト感覚で学べる教材も増えています。視覚情報が少ない分、内容を絞ってテンポよくまとめると、聞き手の集中を保ちやすくなります。

テスト・ドリル型

選択問題や穴埋めなどの問題を解きながら学ぶ形式です。知識が身についているかを確認でき、繰り返し解くことで定着を促します。動画やスライドで学んだあとの理解度チェックとして組み合わせると効果的です。合否判定や点数の記録ができるため、資格対策や必須研修の修了判定にもよく使われます。

シミュレーション・ゲーム型

業務の疑似体験やゲーム要素を取り入れた形式です。選択によって結果が変わる場面を体験しながら、実践的な判断力を養えます。ゲーム性があることで受講者の意欲を引き出しやすく、途中離脱を防ぐ効果も期待できます。接客対応やマネジメントなど、状況判断が求められるテーマで特に力を発揮します。

eラーニングコンテンツの学習の種類

形式だけでなく、扱うテーマ(学習内容の種類)も多岐にわたります。ここでは代表的な4つの種類を、どのような企業におすすめかとあわせて紹介します。

eラーニングコンテンツの学習の種類を4分類で示す図

コンプライアンス・情報セキュリティ系

ハラスメント防止や情報セキュリティ、個人情報保護など、全従業員が知っておくべきルールを学ぶ種類です。業種を問わずすべての企業におすすめで、特に従業員数が多い企業や、確実に全員へ周知したい企業に向いています。受講記録が残るため、実施の証跡を残したい場面でも重宝します。

ビジネススキル・階層別系

ビジネスマナー、ロジカルシンキング、マネジメントなど、職位や役割に応じたスキルを学ぶ種類です。人材育成に力を入れたい成長企業や、階層別研修を体系的に整えたい企業におすすめです。新入社員から管理職まで段階的にコースを用意することで、成長の道筋を示せます。

IT・DX・専門スキル系

プログラミング、データ活用、生成AIの業務活用など、専門性の高いスキルを学ぶ種類です。DXを推進したい企業や、専門人材を社内で育てたい企業に向いています。技術の移り変わりが速い分野のため、内容が更新され続ける教材を選ぶと、常に最新の知識を学べます。

語学・グローバル系

英語をはじめとする語学や、異文化理解を学ぶ種類です。海外展開を進める企業や、外国籍の従業員が多い企業におすすめです。すき間時間に少しずつ続けやすいeラーニングは、継続が成果を左右する語学学習と特に相性が良く、レベル別に学べる教材が多いのも特徴です。

eラーニングコンテンツの学習内容【社員の階層別】

同じテーマでも、社員の立場によって必要な学びは変わります。ここでは新入社員・中堅社員・管理職の3階層に分けて、適した学習内容を紹介します。

eラーニングコンテンツの学習内容を社員の階層別に示す図

新入社員向け

新入社員向けには、社会人としての基礎を固める内容が中心になります。ビジネスマナーや報連相、コンプライアンスの基本、自社の商品・サービスの理解などです。配属前後は覚えることが多いため、eラーニングで基礎を先に学んでおくと、現場でのOJTを実践に集中させられます。自分のペースで何度も見返せるので、不安の解消にもつながります。まずは幅広い基礎を網羅的にそろえるのがおすすめです。

中堅社員向け

中堅社員向けには、担当業務を一段引き上げる内容が適しています。ロジカルシンキングや問題解決、後輩指導、プロジェクトの進め方などです。実務経験があるからこそ、体系立てて学び直すことで「なんとなくの我流」を「再現できる型」に変えられます。専門スキルを深める講座と、リーダーシップの土台をつくる講座を組み合わせると、次の役割への準備が進みます。

管理職向け

管理職向けには、組織を動かすための内容が求められます。部下のマネジメントや評価・面談、労務管理、ハラスメント防止、経営視点の意思決定などです。多忙で時間を取りにくい層だからこそ、すき間時間に学べるeラーニングが力を発揮します。判断が問われるテーマはシミュレーション型と組み合わせると、実践的に学べます。

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eラーニングコンテンツを継続的に追加する方法

研修を続けていくには、コンテンツを一度そろえて終わりにせず、必要に応じて増やしていく視点が欠かせません。主な3つの方法を、それぞれの向き・不向きとともに見ていきましょう。

eラーニングコンテンツを継続的に追加する3つの方法を示す図

外部の既製コンテンツを購入・契約する

最も手軽なのが、すでに完成し販売されているeラーニングコンテンツを外部から購入・契約する方法です。多くのサービスでは定額制で多数の講座を利用でき、必要なテーマをすぐに追加できます。まずは無料トライアルで使い勝手を確かめてから導入すると、失敗を避けやすくなります。自社で作りにくい専門テーマを補うのにも向いています。

自社で内製する

自社独自の商品知識や業務手順など、市販の教材にない内容は、社内で内製するのが向いています。スライドや動画を作成し、LMSに登録して配信します。作り方の型を決めてテンプレート化しておくと、担当者が変わっても品質を保ちやすくなります。更新も自社で柔軟に行える一方、制作の工数は見込んでおく必要があります。

制作を外部に委託する

クオリティの高い教材を用意したい場合や、社内に制作リソースがない場合は、専門会社への委託が選択肢になります。企画から動画撮影、教材化までを任せられるため、担当者の負担を抑えつつ完成度の高いコンテンツを用意できます。費用はかかりますが、繰り返し使う重要な研修や、対外的にも見せられる教材づくりに適しています。

eラーニングコンテンツを上手く作成するコツ

内製する場合でも委託する場合でも、押さえておきたい作成のコツがあります。「作って終わり」にせず、学習効果につながる教材にするための4つのポイントです。

eラーニングコンテンツを上手く作成するコツを示す図

学習目標を先に決める

作り始める前に、「受講後にどうなってほしいか」という学習目標を明確にすることが大切です。目標が定まると、盛り込むべき内容と省いてよい内容の判断がつき、教材の軸がぶれません。「知っている状態」を目指すのか「できる状態」を目指すのかによって、選ぶべき形式も変わります。まずゴールから逆算するのが、質の高い教材づくりの出発点です。

1本を短く区切る(マイクロラーニング)

1本の教材を長くしすぎないことも重要なコツです。5〜10分程度の短い単位に区切ると、集中力が続きやすく、すき間時間にも受講しやすくなります。テーマごとに小分けにしておけば、必要な部分だけ見返すのも簡単です。学習者の負担を減らす作り方として、短く区切る「マイクロラーニング」は今の主流になりつつあります。

図解や具体例で分かりやすく見せる

文字だけの説明が続くと、受講者は理解しにくく飽きてしまいます。図解やイラスト、身近な具体例を交えることで、内容がぐっと伝わりやすくなります。抽象的な概念ほど、図や事例で補うのが効果的です。専門用語には簡単な言い換えや注釈を添えると、知識の差がある受講者にも同じように理解してもらえます。

テストで理解度を確認する

学んだ内容が身についたかを確認する仕組みを入れておくと、学習効果が高まります。区切りごとに小テストを挟むと、受講者は自分の理解度を把握でき、記憶の定着にもつながります。作成側にとっても、正答率の低い設問から「伝わりにくかった箇所」が分かり、教材を改善する手がかりになります。

eラーニングコンテンツの最新トレンド

技術の進化にともない、eラーニングコンテンツのつくり方・学び方も変わり続けています。いま押さえておきたい4つのトレンドを紹介します。

eラーニングコンテンツの最新トレンドを示す図

生成AIを活用したコンテンツ制作・学習支援

近年、最も注目されているのが生成AIの活用です。教材づくりの面では、原稿の下書きや設問の作成、ナレーション音声の生成などにAIを使うことで、制作にかかる時間を大きく短縮できるようになりました。これまで専門知識や外注が必要だった作業を、社内の担当者が進めやすくなっています。
学習支援の面でも、受講者の質問にAIが答えたり、理解度に応じて補足を提示したりといった使い方が広がっています。一人で学ぶeラーニングの弱点だった「その場で質問できない」という課題を補う手段として、今後さらに活用が進むと見られています。

マイクロラーニング/モバイル前提のコンテンツ

スマートフォンでの受講が当たり前になり、短い時間で学べるマイクロラーニングが主流になりつつあります。1本を数分に区切ることで、通勤中や休憩時間などのすき間時間を活用でき、忙しい社会人でも学習を継続しやすくなります。
縦型動画やカード形式など、スマホの画面で見やすいレイアウトの教材も増えています。「まとまった時間を確保して学ぶ」から「日常のすき間に少しずつ学ぶ」へと、学び方そのものが変わってきているのが特徴です。作る側も、はじめからモバイルでの見やすさを前提に設計する必要があります。

動画・インタラクティブのリッチ化

教材の表現も年々豊かになっています。単に動画を流すだけでなく、途中でクイズを挟んだり、選択肢によって展開が変わったりする、双方向性のあるコンテンツが増えてきました。受講者が「見るだけ」で終わらず、操作しながら考えることで、理解と定着が深まります。
360度映像やアニメーションを取り入れ、現場を疑似体験できる教材も登場しています。表現力が高まる一方で、凝りすぎると制作負担が増えるため、学習目標に照らして「どこにリッチさが必要か」を見極めることが大切です。

データ分析による個別最適化(アダプティブラーニング)

受講者の学習データを分析し、一人ひとりに合った内容を届ける「アダプティブラーニング」も広がっています。テストの正答状況や学習履歴をもとに、苦手な分野は重点的に、得意な分野は簡潔に——といった具合に、学ぶ内容や順番を自動で調整する仕組みです。
全員に同じ教材を配るのに比べ、無駄なく効率的に学べるのが利点です。LMSに蓄積されたデータを活用することで、研修の効果測定や改善もしやすくなります。今後は生成AIと組み合わせ、より柔軟な個別最適化が進んでいくと考えられます。

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最新トレンドを取り入れたコンテンツを一から用意するのが難しい場合は、あらかじめ整備されたeラーニングコースの活用が近道です。ネットラーニングのeラーニングコースは、250以上のコースから自社に必要なテーマを選んでご利用いただけます。ラインナップや料金は、資料でご確認いただけます。

まとめ

eラーニングコンテンツとは、インターネットを通じて学ぶための教材そのものを指します。動画型やスライド型、テスト型、シミュレーション型など形式はさまざまで、扱う学習内容の種類もコンプライアンスからビジネススキル、IT・DX、語学まで幅広くそろっています。同じテーマでも、新入社員・中堅社員・管理職といった階層によって必要な内容は変わるため、自社の課題と対象者に合わせて選ぶことが大切です。
コンテンツは、外部からの購入・自社での作成・制作の委託を組み合わせて、継続的に増やしていくとよいでしょう。作成の際は、学習目標を先に決める、短く区切る、図解や具体例を交える、テストで理解度を確認する、といったコツを押さえると効果が高まります。生成AIやマイクロラーニングといった最新トレンドも取り入れながら、自社に合ったeラーニングコンテンツを整えていきましょう。

引用・参照

筆者プロフィール

岸田 努

株式会社ネットラーニング 代表取締役会長 CEO

外資系情報サービス企業で大手企業の情報システム導入を担当。2003年ネットラーニング入社以来、eラーニング市場作りと開拓を行い大手企業中心にコンサルティングに従事し多数の研修を成功に導く。2026年代表取締役会長 CEO就任。一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会、特定非営利活動法人デジタルラーニング・コンソーシアム、一般社団法人日本オンライン教育産業協会で理事 副会長を務める。

【保有オープンバッジ抜粋】

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