

富士通株式会社 Employee Success本部 Skill Ownership Office / シニアディレクター 山田 竜輔 氏
利用サービス:オープンバッジ
【導入の目的】
・オープンバッジによる、スキルの可視化と人材育成の推進
【導入の決め手】
・デジタルなオープンバッジで研修の学習履歴等が証明されるわかりやすさ
・従業員のスキルの可視化と併せて、オープンな横のつながりを作るコミュニケーションツールとして活用が可能
【得られた効果】
・学習履歴、富士通のバリューを伴った行動、プロジェクトへの参加履歴を対象にオープンバッジを発行するトライアルを実施。その結果、8割の社員がオープンバッジ発行の継続を望むという成果を得た
・オープンバッジによる積極的な学びの促進や、さまざまなプロジェクトへの積極的な参加につながった
「ジョブ型人材マネジメント」と「スキルの可視化」
富士通がDXを推進するにあたり、人材育成の観点から「スキルの可視化」は必要でした。
新しい事業戦略ブランドとして「Fujitsu Uvance」がスタートした際、新組織では従来の業種/業務軸(縦割り)からオファリング軸(横串)に変更しました。
DXのような技術の進化のスピードが速い分野では、どこにどれだけのスキルや経験を持った人がいるかを把握して、ビジネスの舵を切る際に、スピーディーに人を最適配置することが求められますので、従業員一人ひとりのスキルや経験の可視化が非常に重要です。
また、ジョブ型人材マネジメントの導入により、「人に業務を当てはめる」考え方から「業務に人を当てはめる」考え方へと変革をし、2022年から一般従業員にも本格導入を開始しています。
実際に運用を始めてみると、組織のミッション達成に必要なジョブに対して人が不足するケースや、ジョブに対して人が過剰になってくるようなケースが出てき始めました。このような課題に対しては、手挙げ制で組織(職種を問わず)を異動できる新たな仕組みとしてポスティング制度(会社で公募されたジョブの中で、自分がやりたいジョブに対して自分から応募できる制度)を導入して、人材の流動化を活発にするとともに、従業員のモチベーション向上に対応しました。
オープンバッジの活用
上記の流動化を活発かつ円滑に実施していくために、スキル可視化の一つの手段として、新たに「オープンバッジ」を導入しました。
オープンバッジは世界、そして日本でも発行が進んでいるスキルを可視化するデジタル証明・認証で、世界的な技術標準規格に準拠しています。受領したオープンバッジは社内外で、SNSやメールなどで広く公開することができます。
IBM様では2016年に4種類のオープンバッジを発行し、わずか半年間で大きな成果を出したと伺っています。現在多くの企業、大学、資格団体などでも取り入れられていて、研修履修の証や資格取得の証として発行されています。
富士通においても、研修の履修の証としてオープンバッジを積極的に活用していこうと思っていますが、スキルの可視化にとどまらず、富士通のバリューを伴った行動や、特定プロジェクトへの参加などに対しても発行しようと、様々な使い方を検討している最中でもあります。
あくまでも個人の考え方の域を出ませんが、公式なオープンバッジとは別に社内においては自由で多様なオープンバッジがあっても良いのかなと思っています。オープンバッジはスキルの証明だけではなく、オープンで横のつながりを作るコミュニケーションツールにもなると考えています。試験的にそのようなオープンバッジを社内で発行したところ、同じオープンバッジを持っているということで初対面でも親しみをもって話せたり、チャットツールやWeb会議の背景にオープンバッジを載せていると、そこから話が広がったりしたというような話を従業員から聞いています。
また、実際に発行済みのオープンバッジを取得した従業員に聞くと約8割の方がオープンバッジの継続を望むという肯定的な意見も出ています。今後も、オープンバッジを活用して様々な仕組みの実現をしていきたいと考えています。
今後オープンバッジに期待すること
オープンバッジには従業員の自律的な学びを促進し、スキルやキャリアアップのモチベーション向上するだけにとどまらず、より有効な人材の活用につながるツールになると期待しています。そして富士通ではオープンバッジなどの情報を通じて、「人と人つなぐ」世界を実現したいと考えています。
オープンバッジがある程度社内で流通していけば「あのジョブについている人は皆このオープンバッジを持っているようだ。」となったり、先ほど説明したポスティング制度においても、募集側が「このオープンバッジを持っている人ならマッチしそうだから一緒にやりたい」と思えるようなシーンが創出できたらと思っています。
ジョブ型人材マネジメントを導入し、人の流動化を活発化させる中で、富士通は自身のキャリアは自身で切り拓く、キャリアオーナーシップという考え方を導入しています。目指すべきキャリアやジョブを可視化し、自身のスキルや経験を可視化することで、成長のスピードが上がっていくと考えています。
最後に、私の究極的な目標ですが、会社の中で「自分で育つ」「現場で育てる」ことが文化として醸成されていき、人材開発部門のやることがなくなり、部が発展的解消となることを目標としています。
そのゴールに向かって引き続き様々な活動を進めていきたいと思っています。
株式会社富士通について
富士通のパーパスである「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」この実現に向けて、グローバルな社会に共感する力を高め、しなやかな変化を続け、価値の創造に取り組みます。
幅広い領域のプロダクト、サービス、ソリューションを提供し、約13万人の社員が世界100か国以上でお客様をサポートしています。
オープンバッジとは
オープンバッジは、全世界で利用が加速する人材育成の革新的なソリューション、デジタル証明/認証のツールです。社員のスキルの可視化と、人材育成の加速をもたらします。
オープンバッジは社員の学習意欲を高め、自律的・自発的な学習を促進し、スキルの見える化によってタレントマネジメントや人事評価にも利活用できます。詳しくはこちらから。
掲載開始日:2023.7.20